失恋夢
あれ?


さっきまでベンチの前にいたよな?


帰ったのか?


......まぁいいか。

そう思い、前に向き直るとそこにはさっきの女の子の姿があった。


表情からして怒っているみたいだ。


それに、腕を大きく広げて帰り道を阻んでいる。



大袈裟だな.....そんな怒るようなことしてないと思うけど。


「帰るなら一言、声くらい掛けてくれたっていいじゃん。」

女の子は頬をわざとらしく膨らませて怒ったような素振りを見せる。



言ったと思うんだけど.....


それに、俺は今日知り合ったばかり奴に声を掛けて帰るような良い奴じゃない。
< 10 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop