失恋夢
「あの有名な言葉、『人の名前を聞くときは、まず自分から名のれ。』ってやつだね。」

女の子は何故か嬉しそうだ。


....まぁ、そういうことにしておこう。


「これは失礼しました。私〈藤峰 れむ〉っていいます。」

そう言って、女の子は手を差し出す。


これは....握手を求められているようだな。


それに名前を言われたら、俺も名前を言わなければならなくなる。


「.....〈村井 守〉です。」


これには何の意味があるのだ、そう思いながらも女の子の小さな手を握る。



「これから、よろしくね。」

女の子は満面の笑みだ。


何故か背筋に冷たい物が走る。

何か企んでいるみたいで怖い。








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