失恋夢
こんな小さな手の女の子を怖く感じるなんて、我ながら情けない。


「よろしく....」

表情に怖がっていることが出ていないか心配になる。 



けれど、女の子は表情を変えず握っていた手を離す。


その瞬間、突然の突風が吹く。

公園の木々がザワザワと大きな音をたてて揺れ動く。


思わず目を閉じてしまった。



風が止んで目をゆっくりと開いていく。


なんとなく女の子のいる場所に目を向ける。

けれど、女の子の姿はどこにも無かった。



不思議とそのことに俺は驚かなかった。


なんとなくだけれど、いない気がしていた。

そんな不思議な感覚に見舞われる。










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