失恋夢
時が経つにつれて、この気持ちを伝えたいという思いがだんだん大きくなっていった。


気持ちを伝えれば今みたいになるって、分かっていたつもりだった。


先輩が俺のことを後輩としか見ていないことなんて分かり切っているつもりだった。


だけどいつもの『もしかして』って言葉で、可能性を勝手に見出していた。



そのときの自分を思い出すと恥ずかしくて顔を隠したくなる。


穴があったら入りたいっていう状態。



「穴に入りたいの?」


「まぁ、そんな感じ......」


......なんか前から声がした気がする?


目を開いて見上げていた顔を前に向ける。
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