失恋夢
「あっそ。」


なんだかこのやり取り、長引きそうだな.....


そうなる前に引き上げよう。


考えがまとまると、鞄を持ってベンチから立つ。


「え、帰るの?」

女の子は目を丸くしてこちらを見上げる。


え...なに?


帰ることの何が悪いわけ?


「.....うん。」



「でもさっき、穴に入りたいって。」

女の子は腕をブンブンと振って、訴えるような素振りを見せる。



......もしかして真に受けたのか?



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