【短編】あしかくんは大変なものを盗んでいきました
「さあ、出るぞ!宿題は持ったか?」
お父さんに言われて、あしかくんたちは出発しました。
イルカさんのバスで、景色を眺めながら長い時間揺られました。
あしかくんはきれいな地平線を見ながら、大きい友達ができたらいいなと考えていました。
すると、お母さんがある崖のところを指さしてこう言いました。
「あの崖は、よく人間が釣りをしにくるらしいの。
危ないから絶対近寄っちゃダメよ!」
しかし、あしかくんは期待でいっぱいで、そんな言葉は耳に入りませんでした。