一週間の彼。

「ごめん。オレ、やっぱり自分の事を本気で好きになってくれる奴と付き合いたい。今のままじゃ辛いだけだから別れよう。」


いつもよりトーンも低く、小さい声が蒸した風に流れた。


「そっか。うん。わかった。」


小さな公園の一画。

目の前にいるのは、付き合って3ヶ月のあたしの彼氏。



あ、


今、たった今、彼氏じゃなくなった。


「やっぱり、最後までお前はそんな感じなんだな。」

自嘲気味に笑うあたしの彼氏………


   ………だった人。


「でも、楽しかったよ。じゃあな。」


「うん。あたしも楽しかったよ。バイバイ。」


手を振る10秒前まで『彼氏』だった『元彼』に笑顔で手をヒラヒラと振り返す。


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