夏色狂想曲
◆。.
いつまでも、この木の下で君と寄り添っていられたら。
なんてクサイ台詞が頭に浮かぶくらい、俺は此処が好きで。笑花が大好きだった。
俺は笑花の居場所で、
笑花は俺の居場所だった。
あの燃えるような夕焼けの中
あの瞬間から俺たちは
仮初めの永遠を手に入れた。
ずっとこうしていたいというのは綺麗な願いのように見えて、果てしない転落だ。
俺は笑花の為なら、願い続けた永遠さえ手放そうと思う。
だから、せめて
もう1度だけ、本当の笑花が見たいんだ。