夏色狂想曲
そんな笑花の、座った時に俺より頭いっこ分小さいぽわぽわしたつむじは、なぜかいつもゆるゆると揺れている。
見てると、何でか分かんねぇけど落ち着く。
前はよく、髪を引っ張ったり、頭潰したりして悪戯をしてたもんだ。
今だって、すぐにでもそうしてやりたい。
だけど、してやりたいと、思うだけ。
いつかみたいに、土手を2人で転がり落ちてふざけ合うこともできない。
嫌がるお前の手を引いて、親分に引っ張り上げることもできない。
こんなにも近くにいるのに、望むことは何一つできない。