夏色狂想曲
◇◆。.
「おわりにしよう…?」
あまりにも震えたか細い声は、自分のものなのに
信じられないくらい、痛かった。
同じタイミングで皐月もそう言ったのだと、手に取るように分かってしまった。
分かってしまった。
でも…―――
ああ、何で、
こんなに冷静なんだろう。
そっか、だって、わたしたちはもうおわってるのか。
次になにが始まることも、終わることもない。
そう思ってるのに、膝の上で握られた手には、じわり、変な汗が滲む。
力の入らない手をなんとか持ち上げて、皐月の方に、伸ばす。伸ばそうとする。
呪文をかけられたように、皐月に触れるあと少しのところで手が止まるのは
――――…怖いから