夏色狂想曲


それでもやっぱり
思わずにはいられない。


「――…笑花に触れたい」

きっとこの声だって届いてない。それだってもう、とうの昔から分かってたこと。


笑花に手を伸ばす。

どこまで伸ばしても、どんなに願っても、叶わない。
笑花の心臓にすら手が届きそうだと錯覚させられるほど近いようで

だけど俺と笑花は、全く別々の世界を生きている。



笑花、笑花、笑花


もう1度だけ、お前の温もりに触れたい。

その小さい肩を思いっきり抱きたい。

お前が安心するまで頭を撫でてやりたい。




笑花、

お前は今、何を考えてる?


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