夏色狂想曲
◇。.
夏休みに入って1ヶ月ちょっとが経ち、早いもので今日が8月最終日だ。
「皐月ーっ!」
今日もあたしは家の近くの土手に来て、そこに生えてる木の中でも一際大きい親分に歩み寄った。
親分とは、彼氏の皐月と一緒に名付けた大木の名前。
ここら一帯の木を牛耳ってそうだよな、なんて皐月のおかしな発想から親分になってしまった。
「おはよ、皐月」
あたしは去年の夏から毎日欠かさずに、ここに足を運んでいる。
学校の後も休みの日も、親分の木陰に皐月と2人で並んで座っていた。