夏色狂想曲
ねえ、もし皐月の隣にいられるなら、もう後ろなんて振り向かないよ。
―――――――――――
ただひたすら
走って、走って
駆け抜けるんだ
―――――――――――
皐月と過ごした全部は、たとえ思い出せなくても、あたしの体に染み付けておくから。
楽しいときも、苦しいときも、嬉しいときも、悲しいときも
これからつくる思い出全てを、皐月で彩りたかった。
―――――――――――
一瞬の積み重なりを
降りゆき経りゆく
全ての刹那を、君と
―――――――――――
皐月、皐月、皐月、皐月
だけど、どんなに願っても
君は、
もういない…――――
―――――――――――
苦しみながら咲き狂わせ
泣きながら舞い吹雪かせ
這いながら愛で尽くそう
―――――――――――
「うわああぁっ…ああぁ…」
あたしはふかふかの草の上に仰向けになって、今まで我慢していた哀惜を吐き出すようにわんわんと泣き続けた。
―――――――――――
…だから笑花、笑って
―――――――――――
過去も、傷も、悲しみも
全部抱きしめて、愛して、進んでいこうと決めたの。
ありがとう…――――