夏色狂想曲
土手を下りてすぐの川で年甲斐もなく遊んだこともあったな。
川に沿って作られてる木製の足場に座って、まったりと話でもするつもりでいたのに。なぜか皐月は水鉄砲を持ってきてて。
気付けば高校生2人が周りの子供たちに混ざって水浸しだった。
あれだいぶ恥ずかしかったんだよ。
「……平和だね」
さわさわと優しい葉の擦れる音が耳に心地よい。
ここで2人で、こうやって肩を並べてるのがあたしの幸せ。
毎日皐月に会うのが、もうずっと前からあたしの生きる意味。
「皐月は?」
皐月はいま、しあわせ?