好きだから。


「はい」



おばあちゃんは少し間を開けて、話し出す。



「おばあちゃんが考えたのだけれど、
未来には是非、そうしてほしいの。」


「…?」



「未来…。雄大くんと同棲しなさい。」




「え!なにそれ?何で…?」




あせるあたしを落ち着かせるように、
おばあちゃんが言う。



「未来はしっかり勉強したり
遊んだり、恋愛したりして、普通の
高校生活を送ってほしいの。」


「でも、このままだったら、あなた、兄弟を成人まで育て上げるでしょう?」



「…。」



「おばあちゃんはそんなの無理だと思う。

だからね、今、幸恵と律夜さんに聞いたの。」



この言葉に口ごもるあたし。


幸恵と律夜さんっていうのは、私の両親。

今、この世界から異界している。



< 27 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop