小悪魔の溺愛
「先生、もう授業が始まるよ?」


「泣き止むまで離さないから」



「何でもないから、

そっとしておいて・・・」


そう言いつつも、

綾香の涙は止まらないどころか、

ますます増えていく。


「先生授業いかないと、・・・

先生でしょ?」


「…運よく、次は授業が入ってない」


「・・・・」


「綾香、オレは、

お前と、別れたつもりはないから」


「・・・」


「オレには、お前しかいない」


声を殺して泣いていた綾香が、

小さな嗚咽を漏らしている。
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