天然カノジョとツンデレカレシ!?
「俺のおやじ、ピアニストなんだけどよ。」
窓の手すりにもたれかかり、
語り始めてくれた。
「お前のピアノは、演奏なんかでもなんでもないって、口癖のように言われ続けてんだ。」
「…へっ?」
「つまり、俺の演奏はボロクソだってことだ」
何言ってるの…?
あんなに音につられたの、
初めてっていうくらいきれいだったのに。
「おやじは、お前なんかに期待なんてしてないからなってさ。
結局弟がおやじの後を継いでるんだわ」
そうなんだ…。
「俺の演奏聴いても、人の心を動かすことなんてできねぇよ」