【完】最初で最後の恋
瞬が目を覚ました。
「ん…奈央?」
「瞬っ…!」
「泣いてんの…?」
「手術、成功したよ…!」
「マジ…?」
「うんっ…!瞬、よかったね!ホントに、よかった…!!」
「奈央が、いたからだよ。ありがとな、奈央」
瞬はそっとあたしを抱きしめた。
「うぅ……瞬――ヒック…ヒック…」
「な〜に泣いてんだよ!ホントお前は泣き虫だよな」
「なによ〜〜!瞬だって泣いてんじゃん〜〜」
「バッ、泣いてねぇよ!」
「フフッ…嘘つき」
「うっせ!奈央、ずっと…一緒にいような」
「…うん」
ギュッと、強く、強く。
あたしたちは、抱きしめあった。

瞬、ホントにホントに、

よかったね――…。
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