【完】最初で最後の恋
「奈央さんって、いつも病院行ってるんすか?」
「へ?どうして?」
「俺の知り合いが奈央さんがいつも病院に通ってるの見てるって行ってて」
「あぁ、彼氏がいるんだ」
「…彼氏、病気なんすか?」
「…うん。でも、そんなの関係ないの。あたしは彼の全てが好きだから///」
「でも、いつ死ぬか分んないんすよ?」
「っ!そんなこと、言わないでよ!!!」
「そんな、いつ死ぬか分んない人のそばにいるくらいなら「やめてよ!!」
「…俺と、付き合って下さいよ」
「……え?」
「俺、奈央さんのことが好きなんです。だから、俺と付き合って下さい」
「…ゴメンネ、矢吹くん。それでもあたしは…彼が、瞬のことだけが好きだから」
「っ、そう、ですか。分りました。ヒドイこと言って、スイマセン…」
「ううん…。矢吹くん、好きになってくれて…ありがとう」
「っ、」
「じゃ、お先に失礼します」

パタンッ。

『いつ死ぬかもわからない』
その言葉が…
ズシンと、胸に引っ掛かった。
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