薔薇城の若き当主。
2、若き当主と久しい王城
2月4日 2時15分 ‐王城‐
現在、ノアとキリスはジーク王子直々の招待状を手に持ち、失礼にならない程度の高級な辻馬車<ツジバシャ>で王城へ行く道のりを走っていた。
「久しぶりに王都へ来たが昔とさして変わらないな」
ノアは馬車の窓から雪景色<ユキゲシキ>を見つめ、そう呟く。
キリスは目を細め、「そうですね」といい言葉を続ける。
「王城へ着いたらまず、ジーク王子に用件を聞かなければなりませんね」
ついでに「私を召喚した罪は思いですよ」とも。
その言葉にノアは頷き、溜め息を吐く。
「リリア絡み<ガラミ>だということ以外、全くわからないしな…」