保健室のアイツ

トツゼン

あれからというものの、アイツは毎日保健室へとやってくる。



「もーもーちゃんっ」



ほら、噂をすれば。


「相川君、先生を名前で呼ぶのはやめなさいって言ってるでしょ」



彼は扉から顔だけ出して、まるで捨て犬のような縋るような目つきで、可愛さアピールをしてくる。



が、しかし私には効かない。


「入るなら入る、用が無いなら戻りなさい」


私はあたかも先生らしい言葉を放つ。



「チェッ」


小さくそう舌打ちしながらも、結局中に入ってくる彼。
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