保健室のアイツ
毎日のように、生徒達の話を聞き、養護教諭らしい的確なアドバイスをする。


…自分が一人前じゃないのに。



フフッ…


そんなことを考え一人、小さく笑う。





――その時だった。



勢いよく扉が開き、二人の男子生徒が入ってきた。


見れば一人の男の子の膝から血が滲んでいた。



「どうしたの?」


私が駆け寄ると、ケガした子に肩を貸す、もう一人の生徒が口を開いた。


「体育の時間でサッカーしてて、こいつ勢いよくこけちゃって」
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