線香花火
「でもね、もし、もしもね、絶対ありえないことだけど、もしも、陸に告られたりしたら、あたしは反射的にOKしてしまうと思う。」
「…そっかぁ。じゃぁ、陸が緑のことを好きになってくれるように頑張らなきゃ。」
「緑。あたし、応援してるよ。」
「クスッ。ありがと。」
天使みたいに、微笑んでくれた。
応援してるのはホント。
だけど、きっとあたしも負けないくらい陸が好きなんだと思う。
だから、あたしはついやわらかく本音を言ってしまった。
「さっ、線香花火の続きしようか!」
「そうだね。」
なにもかも忘れて、あたしたちは線香花火を始めた。
緑と陸がくっついたって、あたしは陸の近くにいるだけで、それだけでいい。
陸の笑った顔見て、バカみたいに一緒にはしゃいで、毎年花火大会行けるだけでいい。
高望みなんて、した覚えなかった。