線香花火
「女子、話し終わった?」
「あ、うん。じゃぁ、戻るか!」
蓮も気にしているのだろう。
女子のことだから”恋バナだ”と。
緑は陸を見ているけど、蓮は緑を見ていて。
蓮は、うすうす気づいてたよね。
緑のことに、勘付いていたよね。
だからきっと、緑の気持ちを知ってしまったかもしれないあたしが気になってしょうがないんだと思う。
「さ、線香花火しよ!時間も全然ないよ!」
「今何時?」
「9時39分!」
10時に帰る予定だから、時間はあと少し。
周りもホントに暗いけど、あたしたちの周りはなんだか明るく見えた。