線香花火




「…どうしてあたしなの?緑じゃないの?」

「緑は…確かに可愛くて優しいけど、それが怖い。恋愛対象にはならねぇ。」

「あたし、ずっと陸は緑のこと好きなのかと思ってた。」

「俺は、ずっと夏美しか好きじゃないけどね。」




改めて言われるとなんだか照れてしまう。
しかもこんな体制で。

夢を見てるみたい。
こんな日が来るなんて、思ってもなかった。




「陸。」

「ん?」

「スキだよ。」

「知ってる。」

「馬鹿!」




人生初の告白をしたっていうのに、そんな気がしない。

これからあたしたち、彼氏・彼女なんだよね?
それなのに全く変わらない。

あたし、幸せすぎる。
こんな幸せだとバチが当たる。

…当たってしまう。




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