好きな子はツンデレ
それからと言うもの、オレは彼女に興味を持った。


彼女に惹かれるのに時間なんていらなかった。



だからこうして、毎日オレがどんだけ静ちゃんを好きかってことをアピールしてるわけだ。




「そんなアピールいらないから」



静ちゃんはお財布を持ってさっさと椅子から立ち上がった。



「あ、購買行くの?オレも行くよ」


シッポを振ってオレは主人の元に駆け寄る。


「来んなバカ犬」



軽くあしらわれたけど、オレは主人に忠実な犬だ。


どんなに嫌な顔をされても静ちゃんについてく。




「クリームパンあるといいね」


廊下を二人で歩けるまさに幸せな一時。


オレは笑って隣を見るけど



「マジうざ」



と静ちゃんは舌打ちをした。



まぁ、舌打ちも彼女がやれば鳥の歌声のごとくだからね。




「げっ…“静様”だよ」


廊下を歩くと必ず聞こえる声。



「うわぁ。また海斗君連れて歩いてるし」


「何なの、あの女。
マジむかつくー」


相変わらず静ちゃんを比喩する嫌がらせは止まない。


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