好きな子はツンデレ
でも強くて可愛いオレの静様は気にしていない表情だ。



オレは好きで静ちゃんと歩いてるわけだから「忠犬」とか、「ポチ」とかののしられても構わない。


でもやっぱ、何も知らない静ちゃんを悪く言うのは許せない。



「アンタも本当、バカだよね」



彼女は小銭を取り出して、購買のおばちゃんに渡した。


静ちゃんの好きなクリームパンが手渡される。



「ん?まぁバカだよ」



あ、新発売のパンだ。



「そーじゃなくて…。
わざわざあたしと歩いて悪く言われる必要ないでしょ」


静ちゃんはクリームパンの入った袋でオレの頭を殴り、中庭の方に向かって歩いて行った。



「あ、ちょ、静ちゃん!
おばちゃん、その新発売のパン頂戴!あとそれ!

静ちゃーん」



きっと静ちゃんは、自分のことに巻き込まれるオレがヘラヘラして笑ってるから腹が立つんだろう。



中庭のベンチには、もう彼女が座っていた。


「静ちゃん?」



オレは上から覗き込むけど、いつものように睨まれた。


無言で「あっち行け」とされる。


オレは静ちゃんが腰掛けるベンチの隅に座った。


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