好きな子はツンデレ
さっき買ったばかりのパンを頬張る。



うわ、うま。



「静ちゃん、これうまいよ」



けど彼女はオレを無視し、そっぽを向く。



ありゃりゃ…いい加減怒っちゃったかな。


かじっていたパンを袋にしまった。



「ごめんね」



「……」



やっぱ何も言わない静ちゃん。



あーあ。オレいっつもこうだ。


静ちゃんを怒らせることなら天下一品なのに、彼女を笑わせることはどうしたって出来ない。



「ごめん…」


隣から大きなため息が聞こえた。

それに続いてがさごそとパンの袋を開ける音。



「何でアンタってすぐ謝るわけ?一応男でしょ?」



呆れた顔してこっちを見てる。


「別にアンタが悪いわけじゃないのにさ」


クリームパンを少しかじって、もぐもぐする彼女。


何かハムスターみたいで可愛い。


言ったら「死ぬ」とか言われるから黙ってるけど。



「だからバカにされんのよ」



「静ちゃんにならバカって言われても何とも思わないよ?」


静ちゃんはムッと詰まり、横を向いた。



あ…照れてる。

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