俺様幼なじみと甘々生活!?【完】
●なんで家に?
『裕樹君、行っちゃヤだよ……』
『ごめんね、理央ちゃん。僕、行かなきゃ』
『……また会える?』
『大丈夫。絶対、会えるよ。そしたら僕、理央ちゃんに伝えたいことがあるんだ』
『今じゃダメなの?』
『うん。……心配しないで。理央ちゃんのとこに、絶対に帰って来るから』
──幼い頃、近所に住んでた男の子、柿原裕樹君。
ご両親の都合で、突然、引っ越すことになった。
当時、裕樹君はとても優しかった。
彼は、私の初恋の男の子……。
今、どうしているかな?
「──オイ、森山。起きろ!」
「いたっ!」
頭に、衝撃が走った。
見上げると、担任が分厚い地理の教科書を手に、冷たい目で見下ろしてる。
「珍しいな、森山が居眠りなんて」
「す、すみません」
そうだ。
今、地理の授業だったんだ……。
そう認識した途端、ぼんやりとした視界が鮮明化する。
「まあ、無理はするな。……授業、再開するぞー」
担任の先生は、教卓の前に戻った。
私は窓越しに雲一つないきれいな青空を見つめ、小さいままの裕樹君を青いキャンバスに映す。
裕樹君、か……。
今、何してるかな?
私のこと、覚えてるかな……。
『ごめんね、理央ちゃん。僕、行かなきゃ』
『……また会える?』
『大丈夫。絶対、会えるよ。そしたら僕、理央ちゃんに伝えたいことがあるんだ』
『今じゃダメなの?』
『うん。……心配しないで。理央ちゃんのとこに、絶対に帰って来るから』
──幼い頃、近所に住んでた男の子、柿原裕樹君。
ご両親の都合で、突然、引っ越すことになった。
当時、裕樹君はとても優しかった。
彼は、私の初恋の男の子……。
今、どうしているかな?
「──オイ、森山。起きろ!」
「いたっ!」
頭に、衝撃が走った。
見上げると、担任が分厚い地理の教科書を手に、冷たい目で見下ろしてる。
「珍しいな、森山が居眠りなんて」
「す、すみません」
そうだ。
今、地理の授業だったんだ……。
そう認識した途端、ぼんやりとした視界が鮮明化する。
「まあ、無理はするな。……授業、再開するぞー」
担任の先生は、教卓の前に戻った。
私は窓越しに雲一つないきれいな青空を見つめ、小さいままの裕樹君を青いキャンバスに映す。
裕樹君、か……。
今、何してるかな?
私のこと、覚えてるかな……。
< 1 / 166 >