俺様幼なじみと甘々生活!?【完】
「そっか……よかったね」



そう言ってくれた弥生の顔はなんだか切なげで。

なんとなくだけど、きっとうらやましがられているんだ。

しかし、私の方から見れば、弥生の方こそがうらやましい。

真悟君とあんなに楽しく仲良くして、そして両想いで。

私なんて、裕樹君の気持ちが全然、分からないんだ。



「弥生!」

「うん?」

「真悟君に確認してみようよ!」

「え? 何を?」

「ホントに好きな子がいるかどうかだよ! だって、もしかしたら、聞き間違いかもしれないじゃん!」

「そんなわけない!」



弥生のぴりぴりと張りつめた声が、教室に響く。

みんながなんだなんだとざわざわ騒ぎ出すが、弥生ははぁ、はぁと肩で息を切らす。



「私……ちゃんと聞いたもん……。聞き間違いじゃないもん……」

「弥生……」
< 97 / 166 >

この作品をシェア

pagetop