Reset — リセット —
「確かに一度はそう思った事もあるがイキナリどうですかと聞かれても今はこの生活に満足しているし変えたいなんて思わない。
そんなチャンスを捨てて
本当に残念だけど…」
『…そうですか。
まあ、今は必要ないみたいですし
今回は”取り消し”という事でよろしいですか?』
目の前の”天使”は全くといっていい程顔色1つ変えず淡々と話を進めていく
「ああ」
『分かりました。
では、今回は取り消しという事にさせていただきます。
ただし、”今回は”です
もし、本当に”Reset”を放棄する場合は他の誰かにチャンスが与えられ、あなたはもうResetを使う事が出来なくなります
そして、アナタは今のまま
何も無かった事になります
ワタシと関わった記憶はすべて消させていただきますし、ワタシと出会う前まで戻ります
それを承知の上で返答を願います
それでは、ワタシは失礼します
チャンスは一度きりですのでよく考えて下さい
もう一度ワタシがアナタの前に姿を見せる時
その時までに。』
そう言って微笑むとゆっくりと闇の中へと消えていった