Reset — リセット —




俺はそのまま無視をしようとしたがその女は俺が動くより先に俺の前に立ちはだかり

両手を広げ通さまいとした

そして、もう一度冷たく透き通った声で言う

『返事を…
そうすればここを通します』

ついたり消えたりを繰り返す電灯の中でも見える顔は

この世の者とは思えないほど美しくそして何より血管が見えてしまうのではないかと思う様に青白かった

その中で真っ黒とも言える目は
強く矢身を射る様な眼差しで…
それに対し不似合いな程優しく微笑む口元に

思わず俺の背筋に冷たい汗なのか生温い汗なのか分からないもの流れた

その汗に俺の体は凝縮し
立っている感覚さえも分からなくなる程頭がパニクっていた


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