Reset — リセット —
それなのに俺から発せられる声はとても冷静でいて
「お前マジ誰なんだよ…
俺に何の用で付きまとってんだよ」
少し苛ついて乱暴に言葉を吐いた様に聞こえた
『ワタシは”天使”
前にも言ったはずですが?
それに、アナタに付きまとっているとはいったい何の事ですか?
ワタシはただ答えてもらえれば結構です
そして、アナタの元からは消えます』
付きまとっているだろうが…
怖いと思っているはずなのに
それ以上に苛ついているらしく
考える事は冷静だった
「何に答えればいいんだ?」
苛ついた所でどうにもならないとわかった俺は苛ついた口調を変えた
『Resetの事についてです』
だが、天使という女にはどうでもいいみたいでさっきと何もかわらず淡々と話を続けていく
「Resetとは一体なんの事だ?」
『…説明不足でしたね、失礼しました。
それでは、昔話といいますか
ワタシがここに居るワケを説明いたします
ワタシが仕えるただ1人のお方は
毎日とても退屈してらっしゃいました
そして、考えたのです
”何か退屈しのぎになるものは無いかと…”
そして、そのお方はこの世界の中でゲームを始めました。
この世界には何十億という者がいるその中でたった1人だけ特別な力を分けてやろうと
一度だけ人生をどこからでも選ばれた者の好きな所で
リセット-つまり、やり直し-が出来るという特別な力を分け与えゲームを始めたのです
そうして始まったのがこのResetです
そして、ワタシはこの退屈な世界に放り出され選ばれた者の案内役をまかされたと言う事です
そして、今回はアナタが選ばれました』
「一体どうして俺がそんなものに選ばれたんだ?」
『アナタは一度思いましたよね
こんな”人生リセット出来たら”と…
そして、そう思った世界中の人間の中からResetは選ばれる
それで、今回はアナタということです』