星の数ほど『あいしてる』
次の日。

私は、早朝から急いで支度をし、病院へ向かった。



病院の廊下で光のお母さんをみかけた。



光のお母さんは、ベンチに座り俯いていた。



「お母さんっ!」
私は、光のお母さんの元に駆け寄った。

「香音‥ちゃん」

光のお母さんは顔をゆっくりとあげた。





二人で屋上に向かった。

「光の感染症がうつる可能性があるからって、外からしか見れないの‥」


空を見上げながら光のお母さんが話す。


それは、涙をこらえているのかもしれない。



「‥光は…光の病気は、治るんですよねっ?!」



その言葉は、屋上で虚しく反響してきた。


私は思うがままに光のお母さんの元へと掛けた。

「お母さんっ…」




「お医者さんが……光は治らないかもしれないって……」

光のお母さんの目元からは、一筋の涙が流れていた。


その一言は、私にはあまりにも重すぎた。

私はその場で力を失ったかのようにしゃがみこんだ。




しばらくして、私は立ち上がり屋上から飛び出して、光の病室へ向かった。



「光っ…ひかるーっ」

私は病室の窓から光を見つめ、
泣き叫んだ。周りの目も気にならないほどに…


光は日を追うごとに植物状態になっていった。

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