星の数ほど『あいしてる』
いつもどおりに過ごして、何一つ変わることのない学校生活を送った。
「今日も光のところに行こーっと…」
私は電車に乗り、光の元へと向かった。
病院に到着すると、いつもよりなんだか騒がしい。
「何かあったんですか?」
近くにいた看護婦さんに聞いてみる。
「ちょっと…ごめんなさいね、」
看護婦さんは、そういい残して病室のある方へ行ってしまった。
私は、不思議に思いながらも光の病室へ向かった。
今日も光は、かわいい寝顔をしていた。
病室の前、ベンチに腰掛け光のお母さんはぼーっとしていた。
「こんにちは‥」
「あら、香音ちゃん…」
光のお母さんは、優しくほほえんだ。
「あ、お母さん。あの‥これ‥」
私は、カバンを開き小さな包みを渡す。
「クッキー、作ったんでよかったら食べてください。」
光のお母さんは、目を数回瞬かせ、驚いていた。
「そのクッキー、光が好きだったんです…」
「そう、ありがとう。」
そんな会話のあと、私は光のお母さんの隣に腰掛けた。
そこに、光の担当医がきた。
担当の先生は、病室に入ると光の診察をはじめた。
光のお母さんは、またぼーっとそれを眺めていた。