Believe
第1章
生まれてから23年間ずっとこの街で暮らしている。

私の住んでいる所は田舎だ。

高校生の時は卒業したら都会に行きたいと思っていたが、実際に離れる事はしなかった。

私は今の会社に中途入社して3年目。

私の仕事は外回りの営業。

会社を出れば1人なので楽だ。

お得意様のお店を訪問し、新商品案内やパンフレットを配ったりしている。

しかしノルマはある…


更衣室のドアを開け「おはようございまーす」と言い、いつものように着替えをする。

着替えを終えると1階の食堂で始業時間まで同僚達と話すのが日課だ。

この会社では私が1番若い。近くても私より10歳も上。

時間になり2階に上がる。

毎日こうして仕事が始まる。

朝礼の時間は本当に憂鬱だ。

毎回同じような話をする上司。

(早く会社を出たいのに)と思いつつくだらない朝礼を聞く。

(やっと終わった)と今日訪問するお店を確認して

「行ってきます」とドアを開けた。

まず1軒目。

軽く仕事をこなし、お得意様と世間話をして終わる。

世間話も仕事の1つ。話をする事によって売り上げも上がると私が思っているだけだが。

2軒目も同じような感じで終了。
< 1 / 68 >

この作品をシェア

pagetop