Believe
「俺、優希ちゃんが好きです。もし優希ちゃんが良ければ俺と付き合って下さい。俺、仕事とか忙しくてなかなか会ったり出来ないけど、不安な思いはさせないから。返事は後でいいからね!じゃーおやすみ」

と言って稲葉さんは車に乗り込んで行ってしまった。

初めて会った時と同じように、走り出した時ハザードランプを点けてくれた。

(えーっ!?今稲葉さんに告白された?)

私は稲葉さんの言った言葉に混乱している。

(とりあえず、家に入ろう)

階段を上がり、部屋に入った。

何が起きたのか分からない。

私の頭の中は真っ白。

ドキドキが止まらない。

(落ち着け私)

私は洗面所に行き顔を洗う。

(今日は寝よう)

ベットに入った。

でも、こんな状況で眠れるはずが無い。

目を閉じると稲葉さんの笑顔が浮かぶ。

(あー駄目だ。眠れない)

私は起き上がった。

(あっ、そうだ!稲葉さんから貰ったお土産を開けてみよう)

とテーブルの上に置いたお土産を開けてみる。

(携帯のストラップだ!カワイイ)

早速、携帯に付けた。

携帯に付けたストラップを見ながら考えていた。

(稲葉さんは芸能人。私は一般人。住む世界が違わないかな?)

考え込む私。

(その前に稲葉さんの事信じて良いのかな?稲葉さんは私で良いのかな?それに、もし私と付き合ってファンにバレたら大問題になってしまう…)

考えても考えても答えは出ない。

カーテンを開けると、すっかり外は明るくなっている。

結局、この日は一睡もできなかった。
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