Believe
(とりあえず、弾いてみよう)

ギターを鳴らす。

1曲目…2曲目と弾いていると、小さい男の子が私の所へ来た。

「何やってるの?」と男の子。

「練習してるんだよ」と私。

「れんしゅう?」と男の子は首をかしげる。

「そうなの。お姉ちゃん上手になりたくて練習に来たの」

「ふーん。お姉ちゃんが持ってるの何?」と私のギターを指差した。

「これはギターって言う楽器だよ」

「へーカッコイイ」

「僕、触ってみる?」

「うん」

男の子をベンチに座らせ、ギターを持たせた。

「重い…」

「あはは、じゃーこっちをお姉ちゃんが持ってるから弾いてみな」

と私がネックを持ち、男の子が弦を弾いた。

「楽しい?」

「うーん、分かんない」

少しすると男の子のお母さんが来た。

「何処に行ったのかと思ったわよ。すみません。邪魔しちゃって」と申し訳なさそうに言うお母さん。

「いいえ。大丈夫ですよ」

「もう帰るわよ」

「はーい。お姉ちゃん、ばいバーイ」と笑顔で手を振る男の子。

「バイバーイ」と私も手を振る。

それから1時間くらいギターを弾いていた。

(さすがに夕方になってくると寒いなぁ。そろそろ帰ろう)

私はギターケースにギターを仕舞っていると

「すみません」と声を掛けられる。

「はい」と顔を上げると、そこには制服を着た女の子が2人で立っていた。
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