Believe
(稲葉さんはまだ仕事中だと思うけど、このメールを待っている間が新鮮で楽しいな)

と思いながら、夕食の買い物をするためにスーパーへ向かう。

夕方とあって、スーパーは混んでいる。

カゴを持ち、キョロキョロしながらお買得商品を探す。

(稲葉さんの好きな食べ物って何だろう?)

(お肉派かな?魚派かな?)と色々考えながら買い物をするのは楽しい。

お会計を済ませ、家に帰った。

(よし!今日は白身魚のムニエルにしよう)と下ごしらえをし、手際よく魚を焼いていく。

(出来た。そうだ!これを写メに撮って稲葉さんに送っちゃおうかなぁ?)と思い携帯を取りに行く。

料理を作っている間に、メールが1通来ていた。

メールを開くと稲葉さんからだ。

「今やっと飯休憩だよ。優希ちゃんも今頃、ご飯かな?今日は何食べてるの?」

(おっ、これは送るしかない)

と出来上がったばかりの料理を写メに撮り、メールを送る。

すると稲葉さんから電話がかかってきた。

「もしもし」と私。

「もしもし、写メ見たよー凄く美味しそうだね。何て言う料理?」

「えっ、白身魚のムニエルです…」

「おいしそー!俺も食べたーい!」

「マズイですよ…」

「そんな事無いって。今度、俺にも作ってよ」

「美味しく出来るか自信無いし…」

「優希ちゃんが作るんだから美味しいよ」

とバカップル丸出しの会話で盛り上がっていた。

「そろそろ行かなくっちゃ。また連絡するね」

「はい。頑張って下さい」

と電話を切った。

幸せな気分のまま、ご飯を食べる。

(お腹いっぱい)

片付けをして、お風呂に入って、いつ電話がかかって来ても良いように準備をした。

お風呂から出た私は携帯をチェックする。
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