Believe
(あー良かった。まだかかってきてない)と確認して、髪の毛を乾かしに行く。

髪の毛も乾かし終わり、部屋でテレビを見ていた。

テレビを見ていても、携帯が気になってしまう私。

(まだかなぁー)と携帯を開いたり閉じたりしている。

とそこへ携帯が鳴った。

(あっ、稲葉さんからだ)

「もしもし」と私は電話に出た。

「もしもし、まだ起きてた?」と稲葉さん。

「お疲れ様です。起きてましたよ」

「良かった。あっ、そうだ!優希ちゃんに報告があるんだー」と嬉しそうに言う稲葉さん。

「えっ?報告って何ですか?」

「実はね…夏にライブが決定したんだよ!」と言う稲葉さん。

「えっ!?私、知ってますよ」

「俺、言ったっけ?」

「いえ、1週間前に会報が届いて、その会報に書いてありましたよ」

「なーんだ。ビックリさせようと思ったのに…しかも1週間も前に知ってたなら言ってよー」と少し声のトーンが下がる稲葉さん。

「ごめんなさい。でも1週間前はそれどころじゃなかったから…チケット取らなくっちゃ」

「えっ、チケットならあげるよ!」と稲葉さん。

「いいです。自分で取りますから…稲葉さんと付き合っているとは言え、みんなと同じ私もファンの1人だから貰うことは出来ません。それに、ステージの稲葉さんはオンの時の稲葉さんであって、今の稲葉さんでは無いから、自分でチケット買います」

「ライブの時の俺も、今の俺も同じなんだけどなー」

「とにかく、ダメです。稲葉さんのライブのチケット取るの激戦だけど、取れた時は凄く嬉しいから」
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