Believe
「そっか。でも優希ちゃんらしいね」

「えっ、私らしい?」

「そう!俺がチケットあげるって言っても断られるような気がしてたんだ」と笑う稲葉さん。

「そうなんですか?」と私も笑った。

「そうゆう所、俺好きだよ」

「えっ」

そんなストレートに言われると恥ずかしくなる。

私は、恥ずかしさのあまり話を変えた。

「聞きたかったんですけど、稲葉さんの誕生日はいつ何ですか?」

「突然、どうしたの?」

「年齢は聞きましたけど、誕生日もプロフィールに書いてないから、いつなのかなぁと思って…」

「そうだよね。俺は7月20日だよ」

「7月20日?その日はライブの日じゃないですかー」

と声が大きくなってしまった私。

「そうだけど…別に俺の誕生日とライブの日が重なったのは、たまたまだからね」と嬉しそうに話す稲葉さん。

(なんだ。ライブの日じゃ稲葉さんの誕生日、一緒に祝えないじゃん)

「そうなんですかぁ」と私。

「優希ちゃんの誕生日はいつなの?」

「私は、12月5日です」

「そっかぁ…冬生まれなんだ」

「はい…」

(そんな、感心して冬生まれって事に何かあるのかな?)

「これから新曲が発売になって、テレビに出演したり色々と忙しくて会えないけど、優希ちゃんが不安にならないように出来る限り連絡するからね。だから、優希ちゃんも俺に何でも言ってね」

「はい、ありがとうございます。でも、その気持ちだけで私は嬉しいです。それに、寂しくなったらSDカードに入っている動画を見ます」
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