Believe
稲葉さんの歌声に癒されながら家へと帰った。

(今日の夕食何にしようかなぁ?)と台所で考える私。

ふとパスタが目に留まる

(疲れたし、パスタでいっか)

チャチャっと作り、完成。

(さっ、食べよう。いただきまーす)と口に入れた瞬間、電話が鳴った。

(あ、稲葉さんからだ)

「もひもひ」

口の中にパスタが入っていて上手く喋れない私。

「もしもし、優希何か食べてる?」

私は慌てて飲み込んだ。

「今、ご飯食べてたところです」

「今日は何?」

「今日はパスタです」

「おーうまそー」

「簡単には作ったからどうかな?」

「俺も食べたいなー!今度会った時、俺にも手料理作ってよ」

「えっ、そんな人に食べさせられるような腕じゃないですから…」

「そんな事ないって!約束だよ」と嬉しそうに言う稲葉さん。

「そうそう、明日友達と遊びに行って来ます」

「友達ってどんな子?」

「中学校からの友達で『泉』って言います。親友ですね」

「そうなんだぁ。どこに行くの?」

「うーん。買い物かな?」

「気を付けてね。俺も優希の友達に会ってみたいな。優希がどんな学生だったかも知りたいしね」

「じゃー後で都合を聞いておきます」

「よろしくね。明日は楽しんで来なよ!おやすみ」

「はい。おやすみなさい」

電話を切る。

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