リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『甘々』・10
「だぁってキミのことが好きなんだもん!」

そう言ってわたしは背伸びをして、彼の唇にちゅっとキスをする。

「んなっ!?」

突然のことに彼は身を引こうとするけれど、わたしは掴んでいる手に力を込めて、それを許さない。

「キミだけだよ? わたしがこんなにイジワルになれるのは」

困る顔が可愛くって、それでもわたしから離れられない彼が愛おしくって。

いつの間にか、わたしは彼に夢中になっていた。

「でも先輩、ちょっとは優しくされたい気持ちはオレにはあるんだけど」

「おやまっ。キミってわたしにイジワルしてほしくて、恋人になったんじゃないの?」

「そんなワケあるかっ! オレはその……こっ恋人として、もっとイチャイチャしたいっつぅか……」

「ふむ…」

イチャイチャ、ねぇ。

…周囲の友達から言わせれば、こうやってわたしが彼をいじっている姿は、まさにイチャイチャしているように見えるらしいけど。

< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop