それでも君を



「うるさいなあ!ナオには関係ないでしょ!別に高橋先輩のことなんか好きじゃない!ほっといてよ!」


つい声が大きくなる。
ナオが言ったことは全く間違ってない。
むしろ全て正しい。だから腹が立つ。



「好きじゃないやつにあんな顔せえへんやろ…」



ナオの哀しそうな顔を見ると自分がどれだけ彼を愛しているのかがよくわかった。
たぶん私は私が思っていたより彼を愛しはじめていた。




「もうほっといてよぉ……」


ナオにまで心配かけている自分とサキ先輩に対する申し訳なさで涙が出てきた。
その場に座り込み泣きじゃくっているとナオが私の右手をとった。


「ほっとかれへんよ。
俺がユリちゃんのことどう思ってるか知ってる?ずっとユリちゃんのこと好きやねんで。」



思わぬ告白に驚いて顔をあげると少し眉を下げたナオが私を見ていた。





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