タイムリミット



すべてを奪ったあのトラックの運転手を呪ってやるんだ



ずっと付きまとって、

同じような絶望を味あわせてやる



カンカンカンカン

リズムカルな、缶をスティックで叩いたような音が少し遠くから聞こえた



その音は不思議なほど遠くまで聞こえて消えていく



赤いチカチカとしたランプがうっすら見える



早く呪いたい!


そんな気持ちで、重たい体を引きずりながら光のほうへ向かった



なんとかまだ電車はきてなかった





いくら胸が痛くて走りずらくっても


元々足が速かった私には簡単に間に合った


線路に出るとまだ遠くに電車が見えた




赤いランプや白いランプが見える


あれが、簡単に殺人機械になってしまう



そしてこの鉄の線路は死への階段




死刑台みたい



胸がいたい


早く。


早くこの痛みから開放してよ…
< 15 / 40 >

この作品をシェア

pagetop