タイムリミット
すべてを奪ったあのトラックの運転手を呪ってやるんだ
ずっと付きまとって、
同じような絶望を味あわせてやる
カンカンカンカン
リズムカルな、缶をスティックで叩いたような音が少し遠くから聞こえた
その音は不思議なほど遠くまで聞こえて消えていく
赤いチカチカとしたランプがうっすら見える
早く呪いたい!
そんな気持ちで、重たい体を引きずりながら光のほうへ向かった
なんとかまだ電車はきてなかった
いくら胸が痛くて走りずらくっても
元々足が速かった私には簡単に間に合った
線路に出るとまだ遠くに電車が見えた
赤いランプや白いランプが見える
あれが、簡単に殺人機械になってしまう
そしてこの鉄の線路は死への階段
死刑台みたい
胸がいたい
早く。
早くこの痛みから開放してよ…