タイムリミット


「…グスツ…」

やっと綾乃が泣き止んできた


「…今、旭サンは疲れていると思いますので。一度休ませてあげましょう、でわ」


そう言って医者は出て行った

お得意の作り笑いをにっこりとすると。


正常な人は気づかない


フツーはきっと"暖かい""優しい気分"そうなるだろう

だけど、


瞳を見ればわかってしまう


あぁ、

作り笑いなんだな…

しかもかなりプロ級。



なぁに敏感になってんだか

ますます正常に戻れないじゃん



全員が病室を出て行くと


また静かさが戻った


聞こえるのは機械の音



黒い背景に緑の線はあまりにジグザクで不規則なのに


音は一定で、リズムカルに聞こえる


"ピッ"





"ピッ"





"ピッ"



外を見ると、闇が広がっていて

ちらほら白い光であふれていた
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