金属バットを買って待つ(仮題)
ホームレスらしき男は、意外に若い声で答えた。
「あんたが車停めたちょっと先にあるよ。」
俺は、ありがとうと言いながらおじさんも何か飲むと聞いた。
何でもいいけどオレンジジュースが売り切れてなかったらそれがいいなあと答えて来た。
媚びたり無理をして威圧しようとする所が態度に無く俺は、このホームレスらしき男に好感を持った。
オレンジジュースを二本買うと公園に戻ってベンチに座っていた男に渡し俺も横に座り一緒に飲んだ。
近づくと男からは、酸っぱいような汗と尿の匂いが混じったような複雑な匂いがした。
俺は、特に不快にその匂いを感じなかった。
セックスの時に、たまに女は、まだひどい匂いがすると思うとなぜか笑えてきた。
俺は、笑いながら煙草をくわえ男にも勧めた。
男が、一本取り出し口にくわえたのに俺は、火を点けてやった。
二人でゆっくり煙草を吸った。
「あんた、何かあったのか?」
男が急に聞いて来た為に俺は、びっくりした。
びっくりしながらも俺は、まぁねとだけ言った。
男が小さく笑った。