金属バットを買って待つ(仮題)


「バットを振ってただろう。

見てたら、オカシイ奴かと思ったよ。

よく言うが、生きてりゃ何とかなるとか言うじゃないか。

だけど、俺が思うのは、好きにすればいいんだよと思うよ。
俺みたいなホームレスが言う事じゃないが好きにやればいいんだよ。」




男は、それきり黙り煙草を根本まで吸うとオレンジジュースの空き缶に入れ、それを壊れかけたゴミ箱に捨てた。




じゃ俺は、ちょっと出かけると言うと男は、公衆トイレの裏側に置いていた自転車に乗って何処かに行った。




俺は、確かに好きにやればいいんだなと思った。




男と話して何だかリラックスした。




ベンチに横になり少しだけうとうとしたようだった。




金属バットを持って車に戻り携帯の着信を確認すると知らない番号が二件入っていた。




俺は、石井の所に行こうと思いエンジンを掛けた。




その時後ろから声がした。




『そこの黒の車止まりなさい』




警察だった。


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