金属バットを買って待つ(仮題)
あの若い男は、最初から俺の車を蹴ったりしなければ良かったのだ。
これは、俺がタイやベトナム、台湾などに仕事で長く住んだ時の経験上から学んだ物だった。
結局やったもん勝ちなのだ。
まだ、ナイフで刺されたり拳銃で撃たれないだけましだった。
実際に、何度もそういう危ない場面を見たり体験して来たから思うが日本人の平和ボケにうんざりする。
若い男がここに車を停めてたら駄目じゃないかくらいで言えば俺は、怒らなかったし唾などあちこちで吐く物ではないのだ。
まぁ、いい彼はこれで学んだかも知れないし学んでなくても俺の知った事では、無かった。
俺は、車を国道に入れながらコンビニを探した。
手を洗い、何か飲みたかったからだ。
コンビニは、直ぐに見つかり車を停めてコンビニに入った。
店員にトイレを貸してくれと言うと少し驚いた表情でトイレの場所を教えてくれた。
トイレに入り鏡を見て思わず笑ってしまった。
黄色のTシャツにさっきの返り血が黒く転々とかなりの数で付いていた。
ジーンズの濃いデニムにも黒い色がかなりの量付いていたが濃いデニムの為にあまり目立たなかった。
手を入念に洗いコンビニでコーヒーやジュース菓子パン煙草などを買い車に乗り込んだ。
車に乗り込むと同時に携帯が鳴った。
思わず携帯に出てしまった。
「洋一か?俺だよ。
お前、増田組に狙われてるらしいぜ。
気をつけろよ。
実際探してるらしいぞ。
親父さんや役員連中は、捕まらないからお前か妹を狙ってるらしいよ。
親父さんを引っ張り出すのに一番だしお前目立ち過ぎたんだよ。
増田組じゃ兄貴の事は、頭が行っちゃってるし行方も分からないからお前か妹に絞って探してるみたいだぜ。
妹さんは、まだ若いからし女の子だから使えるからな。
とにかく、気をつけろよ。」