森のくまさん
季節は春
花々が咲き誇る森の道
俺は何気なく歩いていた
すると、向こうから誰かが近づいて来た
同じ年くらいの女の子
俺の仲間に俺と年が近いヤツは居ない
っと言うことは…町の人
こんな森の奥まで来るなんて命知らずの人だ
知ってるハズなのに、熊族が気性が荒いことを…
「はぁ…」
本日二度目のため息を吐いてその人にゆっくり近づいた
「お嬢さん、ここの森は危険ですよ。逃げて下さい」
俺の声にピクリと反応して彼女が顔を上げた
俺はその顔を見て驚いた
彼女だった
幼さが抜けて大人の女性になり始めているが
間違いない…ララだ
でも、俺は気付かない振りをした
「…そうね。優しい熊さん忠告ありがとう」
彼女は一瞬顔を歪めてくるりと来た方に向き直った
そして、歩き出す